私が加藤シゲアキに落っこちた理由

はじめまして!

 
いやー、White良かったですね。
久しぶりのジャニーズ現場という事もあって、期待と不安が入り混じった、複雑な感情を持ちながら東京ドームに降り立ちました。
白を基調に、各メンバーカラーでコーディネートした服装に身を包んだ可愛らしいお嬢さん方に混ざり、緑と紫を身に纏った私は心の底から挙動不審だったと思います(にわかババアの杞憂)。
KAT-TUN、キスマイを通過し、現在はジャニーズJr.を応援している私にとって、NEWSの凄まじくファンを甘やかすコール&レスポンスは、DVDで予習していたとは言え度肝を抜かれました。
ファンの事を「おめーら!!!」とか言わない!!!「声小せえぞ!!!」とか言わない!!!
コンサートの事を「デート」とか言っちゃうし、ファンの事を「彼女」とか言っちゃうし、KAT-TUNでジャニーズデビューした私にとっては「なんかすげーとこに来ちゃったぞ……」って感じでした。こそばゆい。
でも、めっちゃ楽しかったです。
 
前置きが長くなりました。
そんなWhiteで、私は加藤シゲアキに落っこちたわけです。
正確には、徐々に徐々に加藤シゲアキと言う名の大きな沼の淵に追い込まれ、Whiteで突き落とされた感じです。
更に細かく言うと、フルスイングでガラ空きの後頭部をフルスイングされました。ひどい暴力だ。
私が加藤シゲアキに突き落とされた流れを、備忘録として少し追ってみたいと思います。
 

「アブナイ夜会」と「少クラプレミアム」

元々evry.のおかげで小山慶一郎の好感度がめちゃくちゃ高かったことから、アブナイ夜会の評判が良くて動画を血眼になって探しました。ものの5秒であっさり見つかったので再生。
その時は小山さんの号泣加減の方が気になっていたのですが、なぜか妙に「スポンジケーキ美味いし!最高のスポンジケーキと生クリームになってやるから!」と言っている加藤シゲアキの言い回しが忘れられませんでした。
とかく面白い言い回しだ、と印象的で。
それ以来、NEWSの話をするたびにそのフレーズを拝借していました。
これが加藤シゲアキ、面白いな」と思ったきっかけだと思います。
 
少クラプレミアムは、実はようやく初めて4人のNEWSをまともに見た映像でした。
あの日の私は上田と同じスタンスでした。
「マジで小山良いヤツなんだよ」
上田、本当それな。さすが元担、わかってんじゃねーか。
そこでは、なんだNEWSのトーク面白いな、という所とパフォーマンスが可愛かった印象が強かったです。
今のNEWSを認識した、という感じだったと思います。
 

『ピンクとグレー』に出会う。

アブナイ夜会の約1ヶ月後だと思います。
映画化の発表があり、ちょうど暇つぶし感覚で本を探していたため手に取りました。
「映画化するし、こないだの夜会で加藤シゲアキ面白かったしな〜」という、なんとも軽い気持ちで読み始めた記憶があります。
滑り出しはテンポの悪さがあったものの、かと言って読みにくいという程でもなくページが進む。
な、なんだこの話は……!面白いぞ……!
少し靄のかかったセピア色の無声映画を見ているような、不思議な感覚だったのを覚えています。
薄ら暗く、遣る瀬無く、心の奥を引っ掻かれるような抉られるような話でした。
途中から「ジャニーズのアイドルが書いた」なんてことをすっかり忘れて読みふけっていました。
そして私は加藤シゲアキの頭の中、どうなっているんだ……」と思うようになりました。
彼の頭の中に浮かんでいる映像美は、どんなものなのだ、と。
知的で、かつ繊細な感性の持ち主であると感じました。
その時点で「加藤シゲアキをもっと知りたい」と思うようになっていたのだと思います。
 

アニバ魂と美恋魂

先に買ったのはアニバ魂のDVDでした。
「10周年」ということと、私が東京ドームという空間を非常に特別に思っていることから「これでつまんなかったら、もうNEWSは買わないし……」というとてつもなくネガティブな理由でお金を払っていたと思います。
この時点で私の加藤シゲアキのイメージは「小説家」でした。
これは、少クラプレミアムでも小説の話をしていて、直前までピンクとグレーを読んでいたためです。
だから、私はアニバ魂で衝撃を受けました。
ド頭から「アイドル」している加藤シゲアキに。
キラキラの衣装を身に纏って、楽しそうに眩しい笑顔で歌って踊っている彼の、小説家としてのイメージとのギャップが意外でした。
(元々こっちが本業だわ、と後々突っ込まれたました。)
ステージに立つ加藤シゲアキのなんて楽しそうな事か。
これは後から気付いた事ですが、きっと彼はNEWSの誰より「ステージ」というものに憧れと未練があって、ステージにしがみ付いている人なのかな、と思っています。
そんなアニバ魂DVDが……めちゃくちゃ楽しかった!
10周年という事もあって、メンバーの小慣れたステージパフォーマンスには安心感がありましたし、何より彼らが東京ドームという場所に特別感を持って臨んでいる事が伝わってきたのが一番の理由だと思います。
ドームを使い尽くしてやろう、というくらいステージの隅々まで使って、とても楽しそうに駆け回っている姿に、こちらものめり込んでしまうものがありました。
実はここでも、加藤シゲアキというより「今のNEWS」の好印象が残っていたりします。
加藤シゲアキ、アイドルじゃん!」が、加藤シゲアキに残ったイメージだったりします(笑)。
そして、これは美恋魂も期待が持てるぞ……と翌日には買いに行ってしまったのですが、実はこれを見るまでにはすこし時間がかかりました。
忙しかった事もありますが、それ以上に復活したコンサートだという事でより特別感がありました。
今の4人でスタートを切った映像だ、という事もあり、ここであっさり見てしまうのは勿体無い思いがありました。なにより、このDVDでNEWSに落っこちる自信があったので「こんなにわかな私が、美恋魂DVDで落ちました」なんて言って良いのか……という躊躇いもあった気がします。
そんな私の背中を押してくれたのが「おかえりって言えないファンが増えるのは後押しになる」という言葉です。
あ、おかえりって言えなくて良いんだ。はじめましてで良いんだ。
そう思うと、躊躇い無く見れるようになりました。
号泣するNEWSに、この人達に降りかかった苦労ってどんなものだったんだろうか、と改めて考えさせられました。
でもなにより一番は、メインステージからセリで上がってくる時の4人のなんとも言えないあの表情です。
泣きそうで幸せそうで、この人達はこの景色を見るために頑張ってきたのかな、と思って見ていました。
結論から言いましょう。
NEWS、やばいぞ。
落ちた、と言うよりも「この人達を、今からでも見ていかなきゃ」という、純粋にアイドルを応援する気持ちになっていました。
NEWSは正統派アイドルだと思っていたそのままに、分かりやすくアイドルに落っこちた気がします。
私にとってNEWSというグループにハマったきっかけは、美恋魂DVDだったでしょう。
 

『傘を持たない蟻たちは』

NEWSにハマってから、加藤シゲアキの新作の話が飛び込んできました。
せ、性描写だって……!?
最初は戸惑ったものの、まぁ小説読んでれば性描写が珍しいものではないのは分かりますし、書き手にとっても書くときゃ書くシーンだという事でしょう。
そんな中で私が気になったのは、もう消えてしまったのですが、とあるウェブニュースの記事です。
性描写に関して「想像ですよ」と言う加藤シゲアキに、凄まじい「アイドル性」を感じました。
だって27歳の男が性経験が無いだなんて、ファンだって思わないじゃないですか。本人だって、誰も自分の事を童貞だなんて思っていないと分かっているでしょう。分かっていながらも「想像です」と言ってしまう加藤シゲアキの、アイドルと小説家の絶妙な両立加減に舌を巻きました。
後から別のインタビュー記事で「性描写は必要な装置だったし、性描写を書く上で自分の経験だけじゃ書けないし、1から想像するしかなかった」というような内容の話をしていて、それはそれでまた納得しました。が、人が生み出す以上、自分の経験が混ざらないなんて無いと私は思いっているので、やっぱりアイドルだなぁと思うわけです。
この記事は、私が改めて加藤シゲアキに興味を持ったきっかけになるものでした。
加藤シゲアキ、どんな男なんだ?」
 

「White」につながるまで。

実は、4月あたりから私生活が凄まじく忙しかったのと、本命のJr.たちに大きな変化の時が訪れていた事もあって、NEWSを追っていない時間がありました。
『傘蟻』はフラゲしたのですが、その時が本当に忙しく、染色だけ読んで本棚に突っ込んでいました。
ここからは、なんで加藤シゲアキに転がっていったのかは、正直分かりません。
強いて言うとしたら、私がTwitterでフォローしている方々が、ことごとく加藤シゲアキ担だったせいだと思います。
だって!みんな!シゲの素敵なところばっかり!書いてるんだもん!!
ほとんど言い訳じみていますが、様々な方から加藤シゲアキについての情報をいただき、感化され、White直前には「どうしよう……加藤シゲアキが気になって仕方がない……」という状態まで転げ落ちていました。
 

Myojo10000字インタビュー

「あ、振り返らねーんだ」「"ふたりになってもNEWSをやろう"って。もちろん純粋な美談じゃなくて」「言葉って無力なときがあるから」「俺の最後のステージは、もうとっくに終わってるのかもしれない」「忘れちゃダメだって」
すごい感性だな、と思いました。
この人は、この感性を育てるのにどんな生き方をしてきたんだ、と。
まず「やられた」と思ったのが、去っていく2人の背中を見て「振り返らねーんだ」と思ったところ。
その会議で何を話したのかは知りませんし、どんな最後だったのか、想像もつきません。けれど、その背中に6人の最後を見て、自分の鏡のように感じて、そして振り返らない背中に寂しさや切なさを感じる、その感性ってなんて尊いんだろうかと思いました。
後から考えれば、実はこれって普通の事なんです。思い出して「こちらを一度も見ずに行ってしまったな」と思う事は、誰しもがあるんです。
それをその場で「振り返らない背中」だと感じる事の難しさたるや。私には無い感性ですし、それを育てた彼が何を吸収して生きてきたのかがとても気になりました。
それから、美談を美談じゃないと言い切る潔さ。自分の中のエゴだったり、歪んだ部分、人が当たり前に持っている打算的な部分を認められる潔い強さ。それが、彼の小説たちから感じた彼自身の考え方と重なりました。
「言葉は無力」と言うところにも、それは重なります。
言葉を操る人が感じる言葉の無力さを飲み込んでいるんだなと感じました。
ステージに対する執着や、苦しさを忘れないストイックさ。
このインタビューには加藤シゲアキの魅力が詰まっていたように思います。
この辺りで、もうすでに加藤シゲアキ、罪深い」となっていましたね。
 

そして、世界は「White」になった。

友達に誘われた東京ドーム。
予習はしたし、ファン同士も平和そう。
実は、ドームに入るまで加藤シゲアキのうちわを買って無かったんです。
改めて振り返ると「お前、シゲ担だろ?」と言いたくなる転げ落ちっぷりを披露していたのですが、その時はあくまで小山寄りのコヤシゲ推しくらいのつもりだったんです。
迷いに迷って、ドーム内の物販で加藤シゲアキのうちわを購入。ナイスファインプレー。
後は野となれ山となれ。
気付いたらフルスイングにフルスイングをかまされ、ESCORTで加藤シゲアキという美しい沼にエスコートされていました。
加藤シゲアキ、罪深い男だ」
 
 
まとめ
ド新規の私があれこれ言っても「それってどーなの?」と思われるかもしれないので、本当に私が加藤シゲアキに転げ落ちた流れだけを書いてみました。
彼の人間味溢れる人間性や、知的な側面とイマドキな青年の爽やかさ、ファンを甘やかすアイドル性。
どれも彼を構築する側面なのでしょう。一見すると全く別の人間のようにさえ思ってしまう側面は、全部ひっくるめて「加藤シゲアキ」を構成する要因なのだと思います。
様々な顔に翻弄されるでしょうし、そのギャップに追い付けない時さえあるかもしれません。
こんなにメンドくさいアイドルがあるか。
それでも、加藤シゲアキを好きになった人は、加藤シゲアキを追いかけるのでしょう。
メンドくさいけど、好き。メンドくさいから、好き。
びっくりするほどアイドルっぽくないのに、アイドルとしてステージに立つ事に人一倍の拘りを持つ、潔い強さがあるひねくれた男を、私はこれから追いかけていくのでしょう。
そんな未来が楽しみだし、嫌という程翻弄されることを願って。